昨日、天下茶屋道場近くの某スーパーにて、男性店員が男性客に刃物で切りつけられるという事件が発生(その場で逃走)しました。
詳しくは知りませんが、某記事によると、商品返却についてトラブルとなり、隠し持っていた刃物で襲われたとのこと。
合気道は稽古を通じて、護身法(護心)を身に付けることができます。が、果たして、稽古で身につけた技を“稽古のときのように”誰もが平常心をもって実践できるでしょうか?
答えは“無理”でしょう。
実際には足がすくみ、心は恐怖などの“負”の感情に支配され、そのような“場数”を踏んでいない人の頭は思考停止状態となるでしょう。
ましてや普段、道場で稽古する技の“形”は、あくまで『稽古用(鍛錬)の稽古』です。
日々の稽古回数が多いから…、稽古用の技が上手いから…云々…、で、その人が実際に“その場”で、護身ができる訳ではありません。
では、護身が出来る人とは、どのような人でしょうか?
人によって様々な意見があると思いますが、私が思うのは、『間合い』(距離)を考えることができる人ではないでしょうか。
私が日頃の稽古時に会員へ伝えているのは…。
少年部稽古では、相手と対峙して、一歩踏み出すことができる間合い。踏み出さずとも、足捌きや腹の捻りで技ができる間合い。
一般部稽古では、それらに加え、自身のバランスを保つ(コントロールできる)ことができる間合い・位置取り。
それらの間合いを知る(感知する)ことで、自身の『間合い』がわかり、危険人物と接する際の間合い(距離感)にも気を付けることができる。
ある程度、道場で技ができる段階になったとしても、実際の“暴力”というものは、そんな生易しいものではなく、想像通りにはいかないことを知ることが第一であり、それらを踏まえた上で、相手との“間合い”を考え、その場・その場に適した対応ができれば…、と私は考えます。
くれぐれも、相手を制しようなどとは考えず、安全な間合いを保ち、イザという時は、全力ダッシュで、その場を回避する。回避することが無理な状況なら、大声で叫び、助けを呼ぶ。
これが、稽古を通して、まず出来る1番の護身法ではないでしょうか?
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